コミュニケーション指導の基本的な考え方

 聴覚障害のある幼児・児童・生徒の、主体的なコミュニケーション能力の伸長、豊かで健全な心身の育成、基礎的な学力の向上等を留り、幼児・児童・生徒自らが自己の障害と共に達しく社会生活を営めるよう成長することをめざします。

 ろう学校では、聴覚障害のある子どもたちが、自己の障害とともに、心豊かに達しく社会生活を営めるよう成長することを目指しています。そのために、言語指導部門においては、自己の障害への認識を確かなものとして、保有聴力や音声言語並びに手話等の視覚的手段の有効な活用を図って、コミュニケーション能力及び日本語能力を高め、学力や社会性の基礎を培います。

発達投階や場面に即したコミュニケーション指導

 コミュニケーション手段の活用に関しては、幼児・児童・生徒の発達段階に即して、つぎのような基本的な考え方・方法に立って指導が行なわれています。

  • 乳幼児教育相談におけるコミュニケーション指導
  • 幼稚部におけるコミュニケーション指導
  • 小学部におけるコミュニケーション指導
  • 中学部におけるコミュニケーション指導
  • 重度・重複障害学級におけるコミュニケーション指導
  • 儀式・行事や交流などにおけるコミュニケーション手段
  • 家庭内や学校内におけるコミュニケーション手段
  • 会議・講演等における情報保障

コミュニケーション手段の研修

 多様なコミュニケーション手段の特徴を理解し、それぞれの利点を生かして適切に指導できるよう、コミュニケーションおよび指導技術向上の研修に努めます。

 それぞれのコミュニケーション手段は、それぞれの長所・短所をもっています。手話は概念本位でコミュニケーション手段としてわかりやすく、最早期からの意思の伝達、意味の世界の形成、認知や思考の発達に役立ちます。また、聴覚活用や手話はコミュニケーション内容の大枠を伝えるのに役立ち、読話や指文字は伝達内容をさらに分化して細かくとらえることに役立ちます。さらに、指文字や文字は日本語の音韻の確立には不可欠で、明瞭度の高い発音は一般の聴者に伝えるのに役立ちます。こうしたコミュニケーション手段の特徴をふまえて指導ができるよう、全校教職員で指導技術の研修に努めます。 子供に応じたコミュニケーション手段が、それぞれの家庭で適切に使えるよう保護者のための学習会にも取り組みます。

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