手話の単語をどのように覚えたらよいのか

手話は、「人から対面で学ぶ」ことが重要です。辞典は復習時に「学んだ手話を思い出すための参考書」として使うことをお勧めします。
手話は視覚的に伝え、捉える言語( 視覚言語) であり、平面で表されるイラストや写真では、立体感・方向性などが失われます。書籍のみで学んだ人の手話が、前後逆だったり、ニュアンスの違いで別の手話に見えてしまったりする例もあります。
また、単語を学ぶ心構えとして、「一つの手話単語が一つの日本語に対応しているわけではない」ということを念頭に置いて頂きたいのです。
英語と日本語の例を考えてみましょう。
例えば英語の“have”の日本語訳は、
I have a dream. 「私には夢があります」
He’s having lunch. 「彼は昼食中です」
というように、必ずしも「持つ」という日本語一つだけに対応した単語ではありません。文脈や語の組み合わせ等により、その意味が変化します。
逆に、日本語の「持つ」の英語訳は、
「彼は手に本を持っている」 He has a book in his hand.
「母は小さな店を持っている」 My mother runs(keeps) a small shop.
となり、一つの日本語に複数の英語が当てはまる場合があります。
辞典のみで覚えてしまうと、手話単語があたかも一つ一つ日本語に対応しているかのように誤解してしまうことがあります。しかし手話単語と日本語の単語は、必ずしも一対一で対応しているわけではありません。このことを知っておくと、複数の人に手話を学んだ時に「以前学んだ表現と違う」という不安を解消する手助けになります。また、日本語と手話が異なる言語であると実感できるでしょう。