手話のとらえ方
手話は、日本語とは異なる、日本語と同等の言語です。「日本手話」「日本語対応手話」といった区別をする場合もあります。大塚クラブの教材では、聴覚障害児教育において一人一人に応じた負担の少ないコミュニケーション手段を尊重することを基本としています。ですから日本手話や日本語対応手話など、それらすべてを包括的に「手話」と捉えることを基本的な考え方として、教材を作成しました。
平成19年度の全国聾学校長会の調査によれば、ろう学校児童・生徒のコミュニケーション手段は手話だけでなく、口話、筆談など多岐にわたります。現状では、手話と口話を併用する子どもも多く、教師も日本語を話しながら手話を併用して授業を行うことが多くなっています。
しかし、「手話で表現すれば伝わるのではないか」という誤解も存在します。聞こえる子であれ聞こえない子であれ、その子どもが初めて出合う言葉や内容は伝わりません。教師の話した内容が子どもに伝わっていると思っていたら、実は子どもにはきちんと伝わっておらず理解していなかったということはよくあります。
教材には、豊かな手話の世界の導入として、基本的な内容を収録しました。ろう学校の中で手話でコミュニケーションするのはもちろん、学び続けるという意欲を持ち続けてくださることを願っています。