北海道サマーキャンプ(2006 – 2015年)
北海道森町の森少年自然の家を拠点に、14泊15日のサマーキャンプを実施しました。
観光やハイキングなども行ないますが、メインは体験活動です。観光農園ではない雄大な北海道の農場での農業、チェーンソーでの伐採から窯焼き・梱包までの炭焼き、駒ヶ岳山麓をのんびり乗馬トレッキング、大沼一周サイクリング、カヌー操船など。15日間をフルに使った様々な体験は、子どもたちの知的好奇心を大いに刺激しました。森の仲間たちが所有するログハウス(ウッドデッキは自分たちで作りました)を使って、学習も行ないます。
実施にあたって考えたこと
夏休み中などに通常の放課後活動や土曜日活動に準じた活動も検討し、一部試行も行いました。その結果、休み中に児童を伴っての登下校は保護者に負担であること。長期休業中の学生ボランティア確保の困難などの課題がありました。そこで、長期休業中はこの期間でなければできないこと、そして保護者の期待することを検討し、長期キャンプと進路に関するキャンプ実現の方策を検討・実施しました。
夏休みを利用した15日間のキャンプ
デフファミリーと呼ばれる聾保護者の家庭を除くと、聴覚障害児は地域はもとより家庭内でも十分なコミュニケーション環境が提供されていません。このサマーキャンプでは、指導員も聾者又は手話のできる聴者が担当し、コミュニケーションの質と量を24時間提供することができます。キャンプが終了して帰京する子どもたちの顔からは、みな成長がうかがえます。
受け入れ施設の検討
複数の候補地(国立少年自然の家、民間の旅館、NPOが管理する廃校施設など)を実際に訪れて、施設の状況、安全対策、教育効果など検討しました。ハード面の問題、ソフト面の問題など多方面から検証、試行した結果、森少年自然の家での実施となりました。
複数の候補地から森少年自然の家を選んだのには何が?
スタッフの出入りを考えて関東信州エリアでの実施も検討しましたが、北海道森町で実施することになった理由として以下のようなことがあげられました。
北海道という地の非日常性
往復、航空機や大型フェリー(寝台特急北斗星で行った年もありました)など利用した非日常体験は、子どもたちの好奇心や探究心を刺激します。また、少年自然の家など宿泊施設がお膳立てする体験だけではなく、森町とその周辺に広く点在する資源を活用できたことも大きいです。これは地元のNPO法人「森の仲間たち」の支援によるもので、これなくしてはキャンプの中身が味気ないものになってしまいます。地権者の方の協力で林の一部を伐採、玉切り、炭焼きまでの一連の作業を実体験する。農業体験や酪農体験なども観光農園ではなく、地元農家の方の協力で実現しています。レンタカーの運転や送迎なども地元ボランティアさんの協力で実現しています。その他、道立森高校手話部の協力、道立函館ろう学校との交流なども行いました。