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言語発達の段階と指導のポイント(幼児期〜児童期)
-大塚ろう学校のコミュニケーション指導と言語指導- より

(4)書きことば習得へのわたりの段階(通常は小学部低学年)

学習の場では対話によって授業が進められると同特に、話しことばの中の学習言語的な部分が書きことばによって強化されてくる。

・対話による経験や知識や情報の交換
・書きことばを媒介にした経験や知識の交換

 前述の言語発達の第3段階(幼児後半期)の中身は、小学部以降の「知的な学習活動を支える言語活動」の基盤となります。とくに、「ことば同士の意味関係」に気づくことが大事で、そのために幼児後半期では「ことば遊び」に取り組んだりします。また、手話を日本語に変えたり、日本語を手話で表したりする活動は、「言語意識」そのものを育てることにもつながります。こうした「ことばそのものへの関心」の育ちの上にこの第4段階があるのです。言い換えれば、第3段階の項目の7〜8割程度が達成されてはじめてこの第4段階に入れることになります。しかし、実際には、第3段階の課題(生活言語のレベルアップ)だけでなく、第2段階の課題(生活言語の習得)を積み残したまま小学部に入学してくる子供たちもたくさんいます。そのため、低学年の間は、教科学習と並行してあるいは教科学習に入る時期をやや遅らせて、この第2・第3段階の課題に取り組むことが必要になります。
 さて、第4段階での中心的な課題は、第3段階で出来てきていた「対話による経験・知識・情報交換の力」を媒介にして、その力をさらに「書きことば」を媒介にしてできるようになることです。つまり、まず、いろいろな話題(「場面中でのこと」や「生活の中での様々な経験」や「絵や絵本など」)で話し合い(やりとり)ができることです。そしてそこで必要なことは、集団の誰にも通じる共通のコミュニケーション手段です。それはやはり、手話や指文字という視覚的な手段でしょう。次に、こうした集団でやりとり(対話)ができる力を書きことばの力にレベルアップさせるためには、さらに必要な条件があります。一つは「自分一人で自分の経験を伝える」力です。頭の中であらかじめ話す内容を計画して、伝えることばを考え、相手にわかるように話す力です。二つ目は、親しい人や同じ経験をした人にだけでなく、「知らない人や大勢の集団の前でもことばだけで経験を伝える」力です。
 「行ったよ。楽しかったよ。」ではなく、誰にでもわかるように5W1H(「いつ、だれ、どこ、なに」など)を意識して、聞き手の質問に頼るのではなく、きちんと自分のことば(ことばの文脈)で伝えられなければなりません。小学部のクラスなどで毎日、取り組まれている「発表」の時間はその意味で大切な活動です。こうした「発表」ができるためには、自分で話すことの内容や話す順番を考えたり、相手にわかってもらうためにはどういう話し方やどういう手段が必要なのかをあらかじめ考えておかなければなりません。そして、そのためには、あらかじめ自分の頭の中で対話しながら考えることが必要です。自分の中で話し手と聞き手に分かれて対話する力で、私たち大人も自然に頭の中でこうした対話をしながら色々なことを考えています。「こうしたらどうだろうか?」「いや、それではだめだ。こうしたほうがいい。」「そうか、では、こういう方法はどうだろう?」などといった思考です。そしてまた、この思考の力(論理的に考える力)が教科学習を支える力にもつながっていきます。

(1)
友達との会話が日常的になり、役割決定、情報交換などのための話し合いかでさる。いつもとは異なる場面や相手に対しても言語的に対応することか増えてくる。

(2)
人の話を聞けるようになり、大体の内容、粗筋、大事な点などを理解するようになる。

(3)
疑問に思ったことや分からなかったことを質問できる。

(4)
話題(家庭や学校の事、友達に聞いた事、社会での出来事など)に沿って会話か続けられる。
*家族や親類のこと、近所のこと、テレビでの話題、季節の話などいろいろな出来事について知らせ話し合っていくことが、子供の知識・常識・雑学を拡げ、心情・情操を豊かにしていくために大切なことです。そしてそうした力が「読み」を支えることにもなります。

(5)
相手に分かるような話し方が工夫できる。
*手話だけで通じる人、口話を併用しないと通じない人などの違いがわかり、柏手に応じてコード・スイッチングできる力は「言語意識」を育てることにもつながります。

(6)
言葉の意味を話の文脈から大体理解したり、簡単な定義によって理解できる。自分でも簡単な定義や説明かできる。

(7)
読むことにだんだん慣れ、読むことによってイメージを持つことができる。
*読みによってぽんやりと浮かんだイメージと経験的にもっているイメージの間を行き来しながら、次第に読みによるイメージがもてるようになっていきますが、説明や挿絵などによる補足はまだまだ必要です。

(8)
読みの技法を習得し、内容の大筋や要点が読み取れる。
*自分の力でだんだんと大まかな文の内容が読みとれるようになってきます。また、教師の指導によって気持ちや場面の細かな様子なども読みとれるようになっていきます。

(9)
書くことに慣れ、経験的な事柄を順序や場面の様子、気持ちなど交え書けるようになる。

(10)
みんなの決まりなど、言葉で表現されたルールによって行動を規制できるようになる。

補1.家族や友達、担任の名前、学校名、学年、住所、自分の誕生日、父母の職業などがわかる。
補2.簡単な伝言ができる。
補3.主述のはっきりした話し方ができる。



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