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言語発達の段階と指導のポイント(幼児期〜児童期)
-大塚ろう学校のコミュニケーション指導と言語指導- より

(3)生活言語レベルアップの段階(通常4歳〜6歳代)

対話の量も対話の相手も増え、具体的な場面や行動を離れた会話もできてくる.言葉に対して意識的になってくる。

・イメージの形成
・生活の言語化
・言葉への分析的関心
・二次概念の獲得
・自力での話の構成

 この段階は幼児期後半期に位置する段階で、小学部以降の教科学習に入る前に越えなければならない言語発達の段階です。聴覚障害児の場合、この段階を越えるのに時間がかかり、そのためにこの時期は、抽象的思考の段階(小学部高学年)への入口でつまずく「9歳の壁」に対して、「5歳の坂」と呼ばれたりしてきました。また、小学部に入っても多くの児童はこの第3段階の指導(ある子供たちはその前の第1〜第2段階からの指導)が引き続き必要で、ろう学校では「(教科学習までの)わたりの指導」などとも呼ばれてきました。
 さて、この時期は、場面の中でのやりとりや自分の経験やクラスでの共通の経験だけでなく、身近な人の経験や絵本や物語の世界など非経験的なことにも関心が広がっていく時期です。この時期の子供の「なに?」という質問は、「ものの名前を知りたい」ということよりも、「イマ ナンテ ハナシテタノ?」とか「インターネットッテ ナニ?」など「ことばでことばを説明する」ことを求めるようになります。つまり、「言葉と物との関係」ではなく、「言葉同士の関係」を問うことが多くなります。そして、このことが、次の段階の「学習言語」獲得の基礎的な条件となります。

(1) 友達との会話か多<なり、会話を楽しむことができる。

(2) 経験だけでなく、物語的な内容など場面を離れた話か理解できる。

(3) 話を聞いて話の内容のイメージがもてる(言葉の映像化)。
*最初は知らないことを聞いても関心がもてないでぼーっとしていたりよそ見したりしていますが、そのうち話を聞いて漠然としたイメージが持てるようになり、人の話の大事なところに注意をするようになったり、話を聞いて自分のイメージを修正できるようになります。

(4) 何文か続けて話せるようになり、場面の中の話がより詳しくできる。

(5) 「今、ここ」の活動から離れた経験内容(過去の話、未来の話、見たこと、知っていること)もかなり話せる。

(6) 出来事の順番を追って話したり、「どう思ったか、どう感じたか」など、出来事に伴う感情や印象が表現できる。

(7) 話題からそれないで話を続けることができる。

(8) 言葉について意識できるようになり、「言葉遊び」かできる。
*「トマト」は三つの音でできているとか、最初と最後の音が同じとか、「しりとり」とか、「アのつく言葉とか、言葉への分析的関心が出てきて「言葉遊び」が効果的にできるのがこの段階です。日本語の読み書きへの関心を育てる上でも、また、手話と日本語という言語の違いを知る上でもこうした日本語や手話の「言葉遊び」を家庭でもたくさんやるのがよいでしょう。

(9) 言葉の意味を状況だけでなく文脈からも理解できるようになり、言葉による言葉の説明かでさるようになる。
*具体的なものがなければ言葉が覚えられなかった時期から、「○○はどういうことか」を言葉で説明すればわかるようになってきます。この力が教科学習を進める上でのポイントになります。

(10) 自分から言葉の意味をたずねたり、簡単な意味の説明がでさるようになる。

(11) 文字を読めるようになり、文字で書かれたものの意味を理解でさるようになる。

(12) 言葉で自分の行動がコントロールできるようになり、自分の行動についても計画的表現ができる。
*子供が自分の行動をコントロールする最初の段階は、親がほめる、叱る、禁止するなど他律的なものです。それから、だんだんこうすればいいとかいけないとか分かってきます。その次に、このお菓子を一つとっておこうなど、計画的な表現ができるようになり、今したいことをちょっと我慢できるようになります。
子供が約束を守れるようになるのはこういう力がついてきたからです。

補1.「どうして〜か」(因果関係・理由つけ)、「もし〜なら、…かもしれない」(仮説)など、自分なりに考えて話せる。
補2.新しい言葉や言い回しを自分から使おうとする。
補3.「〜と、〜たり、〜ので、〜でも、〜ながら」等の表現(重文)かできる。
補4.「〜とき、〜みたいな、〜ぐらい、〜そうに」等の表現(複文)かできる。
補5.量的にたくさん話すだけでなく、焦点を絞って簡潔に話せる。
補6.自分が経験していないことでも興味を持って聞くことができる。
補7.人数の多い集団での話し合いにも参加できる。



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